ここまで、スタッフ2名がそれぞれの考える高校入試と大学入試の違いを話してくれました。
今回はデータで見る「高校入試と大学入試の違い」をお伝えしましょう。
まず、数値的にその競争率が全く違います。
高校入試では自分が居住する都道府県内で、かつ近隣の中学生のみが対象でした。
しかし大学受験になると同じ大学を志望する受験生の対象範囲がぐっと広がり、全国の高校生がライバルとなります。それに加えて、1年間またはそれ以上受験勉強に専念してきた浪人生も加わることになるため、競争はより厳しいものとなります。
また、ライバルの人数が増えれば、その分、受験倍率も上昇します。高校入試ではせいぜい1~4倍程度でしたが、大学入試では5倍前後へと上昇。人気大学では10倍を、医学部では20倍を超えることも珍しくありません。
そのため、大学入試で現役合格を勝ち取るためには、受験する学校数も高校入試のときのように1~2つというわけにはいかない、ということもざらにあります。
次に、高校入試と大学入試では、偏差値も大きく異なります。偏差値とは全体の中で真ん中を50とした相対的な位置を示すものです。
高校から大学への進学率は約60%であり、高校に進学した約40%の生徒がライバルとしての対象から外れることになります。そこに中高一貫生と浪人生が加わるため、平均値となる偏差値50のラインは大きくスライドするわけです。その差は個人差があるものの、約12ポイントと言われています。
例えるなら、高校入試で偏差値65の高校に進学したから、大学も偏差値65を狙えるかというとそうではなく、大学入試での偏差値としては65ひく12で偏差値53くらいの実力となる(あくまで目安)ということです。
上記のことからもわかるように、高校受験と大学受験は別物です。全国模試を受験するときには、常に全国区で自分の位置はどこにあるのかを意識しながら受験勉強を進めることが大切です。
一方で、上記の記事にあるように、大学の定員数が受験者数よりも増えてしまうという「大学全入時代」がやってきてしまいました。
これは文字通り、選ばなければどこかの大学に入れる、ということを指しています。俗に言うFラン(偏差値が低い大学を総称したFランクという言い方の略)なら入れるということですね。
こういった状況であるがゆえ、余計に何のために大学へ行くのか、という意味をしっかりと考えることが受験生はもとより、指導する側にも今後さらに求められると思っています。