日曜日も元気イッパイ!!
先日ブログで紹介した先輩のこと。
2013.8.4.
夫婦で挑戦!アパラチアントレイル!
前に紹介してから1カ月半ほどがたちましたが、最近ブログにこんなことを書いていたので転記させていただきます。
あるハイカーの姿が僕の胸をうった。
それは、ワンハンドレットマイルウィルダネス(100mile-Wildness)を歩いていたときのことだ。このエリアは100mile(160km)の行程の中で、舗装された道路とは一切交差しないという、アメリカでも有数の奥深き原生自然のトレイルである。そんな厳しく味わい深い場所で彼と出会った。
僕たちが長い登りを終え、ちょうど下り始めようとしていたとき、向こうから三人組のハイカーが現れた。僕は、そのうちの一人に目がいった。彼は頭にヘルメットをかぶり、両腕にプロテクターをつけていた。もちろん、20kgを超えるだろう大きなバックパックも背負い、ストックも持っている。彼の歩き方は、普通のハイカーとはちがった。動きが大振りで、ストックを大きく左右に動かしながら歩いていていた。
そのとき、僕はハッと気がついた。
このハイカーか、目が見えない人は。
30分ほど前に林道で会った中年の夫婦が「私たちの友だちがここを通るから待ってるの。彼らは耳が聞こえず、目が見えないのよ。」と言っていたのを思い出した。そして、思い出したのと同時に胸が熱くなった。彼らのところへ駆け寄り、話しかけた。
「僕らはスルーハイカーで、フリップフロップで歩いてるんだ」
「君たちの友だちが次の林道で待ってたよ」
と伝えた。すると、会話の中で彼らがスルーハイカーだということがわかった。つまり、彼は目が見えずとも、雨の中、風の中、岩山をよじ登り、川を渡り、カタディン(アパラチアントレイルのゴール)を目指し歩いてきたのだ。3000kmというはるか彼方、スプリンガーマウンテンから自分の足で歩いてきたのだ。それを聞いて、改めて彼の姿、彼の顔に目を向けた。なんという生き様だ。なんとか彼らにエールをおくりたいと思い、
「カタディンが近いね!」
「ハッピートレイル!」
「ハッピーカタディン!!」
とつたない英語で伝えた。
話し終え、再び歩き出し、彼らと離れるとき、目の見えない彼が、すれちがう僕の肩を大きな手でにぎった。なぜ、彼が僕に触れてくれたのか。それは、僕にはよく分かる。彼と僕は同じアパラチアントレイルのスルーハイカーだからだ。たとえ、人種や言葉や身体がちがったとしても、数千キロという気の遠くなるような距離を歩き、カタディンを目指し続けた同志だ。スルーハイカーの喜び、苦しみ、そして、カタディンへの思いが分かる。彼の気持ちは、僕の気持ち。そういう心の共有がある。目の見えない彼は、手を通して、そういう気持ちの共有をしたかったのだろう。それは本当に嬉しい瞬間だった。
その後、歩きながら彼らの姿を思い返した。目の見えない夫と耳の聞こえない妻、そして、彼らをサポートする人。彼らのこれまでの3000kmの道のりを想像すると涙がこぼれた。この美しく厳しい自然、アパラチアントレイルをどう歩いてきたのだろう。おそらく、目に見えたものは妻が伝え、耳に聞こえたものは夫が伝え、足りないものを補い合い、伝え合いながら、感動を共有し膨らましてきたにちがいない。
また、僕は、彼ら二人を支え続けたサポーターの尽力にも大きな拍手をおくりたい。どれだけのサポートがあったのか、詳しくは分からないが、多くの助けがあったことは言うまでもない。
彼らはハンディキャップをかかえている。もし、自然界の動物ならば、食べることができず、生き延びることは難しいだろう。しかし、人の世はちがう。彼らを生かすために尽力する人がいる。そのサポートのおかげで、目の見えない彼が、耳の聞こえない彼女がスルーハイクを成し遂げようとしている。
彼らはサポートされることで人として輝いていた。これが人を生かすということなのだろう。そして、その姿は、僕たちにとって大きな励ましとなり、僕たちの背中を押す力となった。助けることが人を生かし、生かすことが次の力を生む。支え合い、助け合うことで、人のエネルギーが大きくなり伝播していく。これこそが人の世だ。人だけにできる素晴らしさなのだ。
彼らが無事にカタディン頂上へたどり着くことを心から祈りたい。
HAPPY TRAIL ! !
すごいですよね。
夫婦で何か月もかけて3000キロを歩く、という
およそ一般人からしたら「なんで!?」という質問さえも出てきそうな行動ですが、きっとそれは成し遂げた人にしか見えない景色だとか、そこで出会った人やした経験があとになってみるといろんなところで生かされるときがくるのだろうと思います。
一期一会、一回の経験の大切さを感じずにはいられない旅なのでしょう。
何を隠そう、私と彼との出会いのきっかけも非常に運命のようなものでした。
当時、予備校生だった私は、福岡県にあるある予備校に通っていました。
そこで、このブログにも何度か登場したことのある恩師の講義を通じて出会ったのですが、またその出会いが特殊で、
福岡にある校舎ではその先生の授業のうち、受けられない講座があったのです。
受けるためには熊本県の校舎でしか受けられない。
どうしよう・・・
よーし、
熊本まで受けにいこう!
はい、結構むちゃくちゃです。笑
熊本まで行きました。
高校時代の友達が住んでいるし、宿はなんとかなるだろう、という無計画さ。
講習は5日間ありましたので、4泊はなんとかしなければならないわけですが、アテにしていた友達が、初日だけは無理とのことで、とりあえず講義を受けてからなんとかしようと思っていました。
そこでたまたま恩師の授業を一番前の席で受けていたのがこの先輩でした。
二浪していたので年は1つ上でしたが、
おそるおそる授業後に話しかけてみると、
めちゃめちゃええ人。
なんと、
事情を話すと、その日のうちに、
「宿がないならウチへ来い!」
というノリで泊めてもらいました。
受験生の冬期講習の時期に、
「あ、もしもし?お母さん?
今日友達泊めていい?え?誰って?
お母さん知らん子やん。だって今友達なったもん。」
なんていう電話をしてくれたことは忘れません。笑
そこからかれこれ10年以上の付き合いです。
お互い、会っていない時間が長いほど、たまに会うときの時間の濃さ、山のように話すことがつもりつもるわけで、
お互いが刺激しあえる関係、お互いの頑張りを自分に還元できる関係、
そんな素敵な仲間です。
生徒たち、ただ単に遊んだり居心地のいい関係も友達もいていいけれど、
仲間、と呼べる存在を作っていきましょう。
それが将来の財産になっていくよ。
桜塾のメンバーたちには一人でも多くの仲間を作ってほしいと思います。
それでは9月も残りわずか!頑張ろう!